今回読んだ本は「書斎の鍵」です。読みやすい本ですので数時間で読めますが、価値観の転換をもたらす良書でした。
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喜多川 泰 現代書林 2015-06-03
本や読書に関連する人のつながりを描いた小説が中心となっています。舞台は約40年後。ストーリーもわかりやすくとても読みやすいです。そしてその中に、読書や本にたいするパラダイムの変換をもたらすアイデアがありました。
心のお風呂、心のシャワーとしての書斎
一日生きると身体は汚れるから、お風呂に入る。一日過ごせば心にもいろいろな汚れをくっつけて帰ってくるが、前日の汚れはそのままで翌朝を迎えてしまう。
そこで、自分の考え方や人生を変えた本との出会いを増やし、それを本棚に並べると、そこは自分だけの「心のシャワールーム」になるというのです。
そこで、自分の考え方や人生を変えた本との出会いを増やし、それを本棚に並べると、そこは自分だけの「心のシャワールーム」になるというのです。
一日の終わりに、「心のシャワールーム」に入り、心静かに背表紙を一通り眺める。時間が許せば、新しい本に手を伸ばし、その世界の中にひたる時間を持つようにする。そうすれば毎日の生活の中で、心を汚す出来事や、自信を砕こうとする言葉、存在を否定するような書き込みと遭遇しても、よほどのことがない限り、心は綺麗な状態で毎日を生きていくことが出来ます。
今まで、読書は何らかの情報を得るためのもの、単なるデータという視点でした。好きな本、自分を変えてくれた本、自分の原点ともいえる本に囲まれて過ごす時間が「心のシャワールーム」になるという価値観は自分にとって新しかったです。
自分の人生に影響を与えてくれる本と出会い、棚に並べていくのです。まずは一冊から始めてみます。そしてまた、出会うと並べる。さらに出会って並べる。このことを続けていくと、半年おしないうちに10冊ほどの小さなライブラリーが出来るでしょう。これも立派な「書斎」です。一日の終わりに、数十秒でもいいので出来上がったマイライブラリーの前に座って、背表紙を見つめてみるわけです。そうすると、忘れかけていた大切なものを思い出すことができます。一日の生活の中で、たくさんくっついてしまった心の汚れを落としてから眠ることができます。
電子書籍がメジャーになりつつある時代で、持ち運びに便利なデータとして所持する傾向が増えていきますが、本当に気に入った本は電子書籍と本の両方で揃えていこうかな、と考え始めています。「心のシャワールーム」を充実させていくために。
書斎のある人生を
もし今後、電子書籍だけの発売で紙の本が出版されなくなっても、個別オーダーで味のある紙の本を作成するというサービスは出来そうですね。高くても紙の本として所持しておきたいと考える人はいるはず。紙ジャケットのLPレコードのようなものでしょうか。
とりあえず、本当に気に入った本は紙の本で収集し、少しずつライブラリーを増やして行こうかと考えています。四六時中ネットにアクセスする日常から、いったんリセットする場所を作りたいです。そしてこの本は、自分の「心のシャワールーム」の中の一冊に入りそうです。
個人的には、芸能人が100kmマラソンしたからといって全く何も感じないですが、良い本からは「勇気をもらえる」ことはあります。運動する時間と同じく、意義ある活動です。
ということで、読書の時間と運動の時間は、「それらは仕事である」というくらいの感覚で、日常に取り入れていきましょう。
ということで、読書の時間と運動の時間は、「それらは仕事である」というくらいの感覚で、日常に取り入れていきましょう。
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喜多川 泰 現代書林 2015-06-03