人工知能関連の本を読みました。といっても、平易な文章で書かれたもので一般教養として学習するには良い本でした。
個人的に気になった部分のメモ書きです。
ポイントは、50年ぶりに訪れたブレークするーをもたらすかもしれない新技術「ディープラーニング」の意義をどうとらえるかにかかっている。
人工知能が自分より賢い人工知能を作りはじめた瞬間こそ、すべてが変わる「特異点」なのである。
[世の中で人工知能と呼ばれるもの]
<レベル1>
単純な制御プログラムを人工知能と称している
<レベル2>
古典的な人口知能
将棋のプログラムや掃除ロボットなど
<レベル3>
機械学習を取り入れた人工知能
入力と出力を関連づける方法が、データをもとに学習されている。
機械学習というのは、サンプルとなるデータをもとに、ルールや知識を自ら学習するものである。
<レベル4>
ディープラーニングを取り入れた人工知能
機械学習をするさいのデータを表すために使われる変数(特徴量)自体を学習するもの。
ディープラーニングは、データをもとに、コンピュータが自ら特徴量をつくり出す。人間が特徴量を設計するのではなく、コンピュータが自ら高次の特徴量を獲得し、それをもとに分類できるようになる。
人間の仕事として重要なものは大きく2つに分かれるだろう。ひとつは、「非常に大局的でサンプル数の少ない、難しい判断を伴う業務」で、経営者や事業の責任者のような仕事である。一方、「人間に接するインタフェースは人間のほうがいい」という理由で残る仕事もある。むしろ人間が相手をしてくれるというほうが高価なサービスになるかもしれない。
[人工知能技術を独占される怖さについて]
データをたくさん持っている企業が、高いレベルの特徴表現学習の技術も手に入れると、ほかの企業もそこにデータを集めざるを得なくなる。なぜなら、その企業に頼めば、よい特徴表現が得られ、様々なアプリケーションをつくりやすくなるからだ。その結果、少数のプレイヤーが市場を席巻することになる。
[日本の主な課題]
(短期)
1. データ利用に対する社会的な受容性
過度に警戒する。
2. データ利用に関する競争ルール
競争環境の変化に対応しきれていない
(中長期)
3. モノづくり優先の思考
AIなきロボットはいずれ開発競争で負ける
4. 人レベルAIへの懐疑論
5. 機械学習レイヤーのプレイヤーの少なさ
機械学習とアプリケーション両方の産業が必要
人工知能の60年に及ぶ研究で、いくつもの難問にぶつかってきたが、それらは「特徴表現の獲得」という問題に集約できること。そして、その問題がディープラーニングという特徴表現学習の方法によって、一部、解かれつつあること。
機械学習とディープラーニングの違いなど、個人的に混同していた部分もありました。基本的な部分をおさらいしつつ、全体概要を理解するには良い本です。数時間で読めます。