「分かる」と「出来る」は違う

シニアの方との会話でもうひとつ気になる発言がありました。

 

本やネットの情報を読むことができるけど、得た情報をもとに、それをひとりで実行するのは難しい

 

これ、シニア向けのIT教育でとても重要なところだと思います。

 

書店で、「はじめてのスマホ」みたいな本を買ってきても、ほとんどの人は結局挫折します。それは、無意識に、分かる人が分かる人向けに書いてしまっているようなところがあり、シニアが本当にほしい情報が時々抜けている、という状況だと考えていました。

 

また、ネット検索はとりあえず出来る、という人であれば、なぜ、スマホ操作などで分からないことを自分で検索して探さないのだろう、なぜわざわざ我々のところに聞きに来るのだろう、と疑問に思っていました。

 

ネットで調べて、または本を読むことで、自分が探していた情報が見つかったとしても、それを自分で実行できるわけではないのですね。ここの感覚をどう捉えるかが重要だと思います。

 

明確な答えを持っているわけではないのですが、スマホが苦手なシニアは、

 

スマホ操作の全体像が見えない

 

のではないか?と考えています。経験豊富なひとは、なんとなくアプリ操作の全体像が見えていて、ここはこうなっているはず、とか、こういうメニューがあるはず、みたいな仮定で操作を進めているところがあると思います。一方でシニアはたぶんそういうのが出来なくて、分からないことがひとつあると、そのあとも芋づる式に分からなくなると。

 

現時点でうまい解決法を持っているわけではないですが、我々が考える「必要な情報」を提供するだけではダメなのだということは覚えておいたほうがよいでしょう。

タイトルとURLをコピーしました