シニアのIT利用を促進するNPOとして、スマホの使い方などをシニアに教える活動をしていますが、つくづく感じるのは、
世の中には、コンピュータ、スマホ、インターネットといったものとは全く無縁の生活をしている人がこんなにもたくさんいるのか!
ということです。そして、そっち側の人のほうが、金銭的に裕福な生活をしていることが多いのです(世代間の違いでもあります)。だから、スマホが使えないから必ずしも不幸なわけではないのです。これはもう、カルチャーショックというか、今まで自分には見えていない世界でした。
私自身は日常的にスマホやインターネットを利用しています。なくては困るものです。私の周りのひとたちもそういった生活をしています。だから世の中の人は、程度の差はあってもITを使うものだろう、あるいは使いたいと思うものだろう、と想定していました。
でもスマホを習おうと来られるシニアに多いモチベーションは、
ガラケーがそのうち使えなくなるらしいから
といったケースが多く、それ以外でも、
世の中そういう流れになっているようだから、仕方なく習う
という感じですね。あまり楽しい動機ではないのですね。
それでも試しているうちに楽しくなってきている人もいますし、それなりに使いこなしているひともいるので、こちらもやりがいはあるのですが、大多数は、
思ったように新しいことが習得できない
というのが現実です。これが、残念ながら現実です。
シニアがITを活用することで、より便利な生活ができる
という仮説でスタートして5〜6年経ちますが、参加者に何か無理させてるのかな?
別のパラレルワールドからきた人にとって、スマホの習得は超えるべき課題が大きすぎるのです。そうなると、自分たちがやっていることは正しいことなのだろうか?と立ち止まってしまうこともあります。
とはいえ、何もやらないと何も変わらないし、やれば使いこなせるようになる人もいます。ITを使う人と使わない人の2つのパラレルワールドの分断は、今後もさらに大きくなっていくと思われます。
どういうふうに手助けするのがベストなのか、多少迷いがあるのが正直なところですが、どこかで何かのブレークスルーがあるかもしれないので、引き続きやっていこうと思います。