NPOなら税金がかからない、というわけでもない

5/31 は3月決算の法人税申告書の締切日です。いつも通り、管轄の税務署に出かけ、書類を提出してきました。なぜ最終日なのか?それは、県税事務所と市税事務所の臨時窓口ができていて、税務署に行けば書類提出が全て済んでしまうからです。他の税務署では状況が違うかもしれませんが。今回は、自身の株式会社のみの話でしたが、来期からは、NPO法人の分も提出しなければいけません。

NPO への理解が足りない

さて、最近新たに設立したNPO法人ですが、人に話をすると感じるのは、結構誤解されている要素があるということです。主にこの3点です。

1)NPOは利益を挙げてはいけないんじゃないの?

2)NPOは税金かからないんじゃないの?

3)NPOって楽そう

それぞれ見ていきましょう。

NPOは利益を挙げてはいけないんじゃないの?

NPO が、non profit organization だから、非営利組織という解釈になってしまうからでしょう。でも実際は、本当にボランティア活動でないかぎり、利益を上げていかないと存続は危うい団体が多いのではないでしょうか。NPOの中で仕事している人には、もちろん給与を払うことになりますし、営業的な活動もあるし、オフィス借りたりする固定費もかかってきます。補助金や寄付なども重要な収益源で、それだけで賄っている団体もあると思いますが、現実的には、それなりにお金が入る仕組みがあったほうが良いと思います。実際、NPOの定款には、非営利団体としての本業以外に、お金を稼ぐためだけの事業を別途挙げておくことができます。NPO は、収益を挙げてはいけないわけではありません。一般企業と違うのは、利益を自分達で分配するのではなく、本業の社会的活動のほうに回していかなくてはいけない、という点です。

NPOは税金かからないんじゃないの?

これは結構ややこしいところがあって、回答としては、

NPOが、法人税法上の収益事業にあたる活動をしていたら、払わなくてはならない。
収益事業をしていなければ、減免申請を出すことで免除される。

ということになります。で、この収益事業とはなにか、という判断が結構悩ましいものなので、迷ったら税務署に聞いたほうがよいです。
たとえば、今回当方が設立したNPOの場合ですと、外部の公共施設から依頼があって、出張セミナーをやる、という機会があります。これは、収益事業の中の、「請負業」にあたり、課税の対象となります。だから、我々の NPO は税金払わないといけない、ということになります。

NPOって楽そう

もうひとつの誤解は、NPOを設立したら自動的にお金が入ってくると思っているひとがいること。例えば国から、とか?
でも、実際はそんなことありません。まあ、もしかしたらそういうのを前提に受け皿として設立される団体もあるかもしれないですが、普通は、何もしないと何も発生しません。

じゃあなんでNPOにするの?

結局、一般企業とそんなに変わらないんではないか?という感想になります。

個人もしくは市民団体のボランティア活動からの延長線上でNPO法人を設立するという流れが一番多いと思います。で、おそらく一番の理由は、対外的に話がしやすくなる、という点です。公益性のある活動は、どうしてもお役所の人にかかわる事が多く、そういう人はどうも、話をしている相手の所属によって態度が変わります。単なる個人や市民団体みたいな風情で行く門前払いということもあるのは事実です。NPO法人という立場になることで、自らの活動の話がしやすくなる、聞いてもらいやすくなるという側面があります。

じゃあ、株式会社にするのかNPO法人にするのかという選択は?この間までボランティアでやってたのに、その関連でいきなり株式会社化したら、おいおい急に金儲けに走ったか!と思われかねないというのはありますね(笑

これは私の解釈ですが、世の中には、1)モノやサービスを提供した相手からお金をもらって成り立つ、いわゆる商売と、2)提供した相手からはもらえない、あるいは完全な対価としてもらうのは難しいというタイプのモノ・サービスがあると思います。前者は株式会社、後者はNPO法人がいいのではないかと思います。儲からないけど社会には必要な活動はあるはず、というわけですね。

本題に戻ると、NPO法人であっても、収益事業に該当する事業をやる場合は税金がかかってくるので、中途半端に収益事業をやったら、お金がなくて税金も収められないという状況になり得ます。経費を差し引いて結局利益が出なかったとしても、法人の県民税、市民税の均等割というのはかかってきますから、利益でなくても7万円は払わなければならないでしょう。

というわけで、NPOを取り巻く状況は、イメージで持たれているほど恵まれたものではない、という印象です。

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