昨日の朝は、TVは金環日食ネタばかりだった。まあ、当たり前といえば当たり前だが。
そんななか、TV東京はその時間帯に、しまじろうを放送していたらしく(実際そうだったか確認してないが)、ある意味そのブレのなさはいいなあ、と思った。大きな選挙などがあると、民放もNHKもみんな選挙の特別番組になってしまうので、この時間帯にドラえもんでも放送すればいいのに!って子供のころ思っていたが、そういうことをTV東京はやっていたことになる。
とはいえTV業界は全体としてやっぱり落ち目だね、と思ったのは、ネットの動画を紹介して、それに対して芸能人が怒ったり笑ったり泣いたりする、というような安易な番組が多くなったからだ。そういえば、以前日本テレビから、私のYoutube上のウサギ動画を使わせてくださいという連絡が来てたこともあったな。いまや民放だけでなく、NHKのニュース番組ですら、ネット動画を紹介するコーナーがある。ここでのTV局の役割を考えてみると、コンテンツを作っているわけではなく、既に全世界が見れる状態にアップされている多数の映像のなかから、受けそうなコンテンツを見つけ(あるいは評判になっている動画があることを知り)、それらを並べて放送している、ということで、放送する映像を選別しているだけ、ということになる。
番組でこういう映像を作って、ネット上にアップしたところ、こんな反響・コメントが来ました、っていうのなら分かるが、そういうことでない。これはもう、映像制作を生業とするひとが時間かけて何かやるよりも、世界中の一般人が何気なく撮影した映像や、予想外のハプニングみたいな映像のほうが面白いということを認めざるを得ないということなんだと思っている。
TVを見るのが生きがいという人がたくさんいる。年配の人のひとり暮らしや、入院している人など、状況は様々だけどそういうひとがいることは確かだ。またそういう人達に対して、「きっとあなたが楽しめるものがこのなかにあるはずですから、自分で探してくださいね」といってインターネットへのアクセス環境を提供する、というのもかなり酷な話だろう。
いま、TV局は、ネット上で自律して楽しめていない人向けに、映像を選択・キュレーションして紹介しているという感じだ。でもそれは、最大公約数的な選択基準であり、ターゲットは「大勢」だ。TV的にはこれが正解なのだろう。
良質で、個人の嗜好に適したコンテンツを選んで、個人向けに提供したら?
じゃあそれがもっと進んで、もう少し個人向けに特化したら、ビジネスチャンスはないか?
- コンテンツ元はネットだけど、提供方法はTV
- 自分の趣味や気になるもののキーワードを提供してもらう。それをベースにキュレーション。
- 時々フィードバックをもらう(もっとこういう関係の情報ほしい、とか、こういうのいらない、とか)
Gunosy みたいなサービスは便利だけど、こういうのが本当に便利だと感じてくれる層には届いていない。つまり
普段TVばかりみているばあちゃんが、ネットにアクセスして Gunosy に登録することができるわけがない
のだ。逆にいえば、Gunosy みたいなサービスがあること知り得る環境にいて、自分で登録してその恩恵に預かれるひとは、仮にそのサービスがなかったとしても、自分の必要な情報を、情報の海から自分で探し出すこともできる人たちなんだ。こうやってデジタルデバイドが広がっていくのだな、と。
使うひとはどんどん使う。便利になる。
使わないひとは全然使わない。でも、使えたらという前提がないから別に不満でもない。
まあ、使えたから幸せなのか、というとどうなのか分からない。多分、こんなふうに個人向けに特化した番組を提供できますよ、って話になっても、
「わしゃいつものTVで十分だよ」
といわれるケースが大半ではないかとも思う。
難しい。