最近、某イベントに参加してプレゼンを観てて改めて思ったことです。
ソフトウェア のデモンストレーションは、デモをやってる側が思っているほどのインパクトを聴衆に与えていない
と思います。
せっかくのプレゼンの機会だからと、いろいろ盛り込みたくなるものですがね。でも、そっちに注力するのではなく、メッセージを絞りこんで刷り込む(言い方悪いけど)ほうが良いというのが私の意見です。
一方、ハードウェアのデモは、思った以上にインパクトを与えることができると思います。それは、思ったより大きかったとか、小さかったとか、実感(体感)を持ってもらいやすいからでしょう。
デモでトラブルがあると印象が散漫になる
デモの中でも、特に、インターネット経由でサーバーにリアルタイムに接続するようなデモだと、本番で思ってもみないことが起こります。結果、観ている側がいたたまれなくなる空白の時間が生じたり、想定よりすごく早くプレゼンが終わってしまったりして、そんなことならデモ準備しないほうが印象良かったんじゃないの?というものすらあります。
だから、操作を見せるようなことしたかったら、あらかじめ動画で収録したものを、プレゼンの合間に見せるのが無難です。この場合も、動画が正常に再生されるかという問題は依然ありますが、ローカルに存在する動画ならまず大丈夫でしょう。スムーズにいけばそれはそれで結構ですが、むしろ重要なのは聴衆にどうアクションを起こさせるか、ということだと思います。
明確な差別化要因があるのは当たり前、で、どう嬉しいのか?
通常、自社がなんらかの商品を出す以上は、競合他社に比較してこういう点が特徴ですよ、というのを明確に言えなくてはなりません。こういうところは多分にマーケティング的要素が入ってくるのは致し方ないところですが、受け取る消費者のほうもそんなことはわかっているので、話半分で聞いているはずです。さらには、「で、どうなの?」という部分までちゃんと分析してあげないと、聴衆は重い腰をあげない(アクションを起こさない)と思うのです。
どんな風にメリットがあるのか?
関係者にどうメリットがあるのか具体的に示してあげることが重要です。例えば、
実務担当者(実際にソフトを触るひと)にとってどう嬉しいのか?
過去の資産が全部使えます、とか、日本語でサポート対応してます、とか。
マネジメント、あるいは会社としてどんなメリットがあるのか?
経理上こういう形にできる、とか、従来手法と比べて人月が半分になります、とか。実務担当者と同じもの見ているとは限りません。
など。これらは見にくいグラフとかじゃなくて、大きなフォントで言い切ってしまって良いと思います。で、次にやってほしいアクションを示すのです。
- もっと詳細聞きたい場合は私(プレゼンター)に直接話しにきてください
- エンジニア向けとマネジメント向けの資料があるのでウェブサイトのここを見てください
など。たいてい、展示会やセミナーには参加してそれっきりになることが多いので、なんとかして後日のアクションを働きかけたいものです。
余談ですが、プレゼンのなるべく前半のほうに、全員に笑ってもらえるようなネタを仕込んでおくと良いと思います。いわゆる「つかみはOK」というやつですね。これによって、聴衆はプレゼンの最後まで見てもらいやすくなります。
まとめ
というわけでまとめると、
- ソフトウェアのプレゼンでは、デモンストレーション実施にこだわりすぎる必要が全くない
- 関係者にどういうメリットをもたらすのかを、印象に残るかたちで明確に示す
- そして、次にこういうアクションをしてほしい、ということも明確に示す(宿題を課す)
という展開が良いと思います。