まずは意思表示してみてほしい

きょうは、60歳以上のシニアが集まる施設でスマホ・タブレットセミナーを行いました。

10数人の参加者で初めての参加は3人ほど。その中に無口、無表情の男性がいました。来られたときに挨拶しても無反応でした。

セミナー開始10分、その男性は無言のまま、荷物を片付けて帰ってしまいました。参加自由のセミナーですのでいつ帰ろうが自由です、が、講義をしている側は、がっくりするし、私がやっていることはムダなことなのか?という思いがよぎるのです。

この男性は、どういう理由で帰ったのでしょうか?
1)急用ができたから
2)自分はさっぱり理解できないと判断したから
3)思っていたような内容ではなかったから

1)のような雰囲気ではなかったですが、仮にそうだとしても、一言そう言って頂きたい。

2)の可能性が一番高いかな、と思っていますが、それなら、分からないと声を上げてほしかったです。

3)については、最初に、どういうものを求めるか、というのを確認しているので、そのときにリクエストしてほしかったです。

特に男性にありがちな障壁として、『プライド』があります。これは、自分がこんなことも知らない、こんなことも分からない、ということを他人に知られるのを極端に嫌う、という傾向です。推測ですが、この男性もそういうタイプだったのではないか、だから、『今の話が理解できない』とか、『こういうことが分からないので知りたい』ということを言い出せなかったんじゃないか?と。団塊の世代以上の男性は、こういう人多いのでないかと思います。一方で女性は、その辺は割と躊躇なくガンガン質問が来ます。

こういう男性にはどう対応すべきなのでしょう?おそらく、他の参加者から離れたところで1対1で対峙できれば、いろんな話を引き出せるのではないかと推測します。セミナー開始前に世間話して、参加者の人となりを理解しておくことは意外と大事かもしれないな、と感じました。

分からないなら分からないと意思表示してほしい。

というのが本音ですが、実際のところは結構難しいのでしょうね。そういったプライドを抱いて今まで生きて来られたわけですからね。だとしたら、プライドが邪魔して聞けないひとには、それなりの苦悩があることを理解して、上手に巻き込んでいくかたちで、なんとか寄り添っていくしかないです。

 

そういえば、先日のセミナーでは、講義中にある人から質問をうけ(その人のタブレットの挙動についての質問)、それに対応していたところ、他の参加者から、

他の人には関係のない内容なので、それにばかり時間をとると、他の人の時間がもったいないので、みんなにたいして講義をしてほしい。

と指摘されたことがありました。こちらは質問にたいし真摯に対応しているだけだったので、これはこれで凹みますし、疲れがどっときました。しかし、指摘されている内容はもっともであり、指摘されたことによって、講義中の時間の使い方、対応方法などに、さらに注意を払うようになりました。これも意思表示してくれたからです。

知識レベルも興味の対象も異なる10人以上のシニアにひとりで対応するというのがそもそも無理があるわけですが、そういうなかで少しでも満足度を上げていくためには、いろんなフィードバックをもらいながら都度改善していくしかないですね。

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