この本を読みました。
「一体感」が会社を潰す 異質と一流を排除する<子ども病>の正体 (PHPビジネス新書) | ||||
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面白かったです。
気になったところをメモしておきます。
そもそも対立する意見が会議で出ること自体が忌み嫌われていて、会議以前にあらかじめ意見を調整しておいて、会議で対立しないようにすることが会議の主催者に求められす。そして、摩擦をうまく回避できる人が、調整能力の高い、よきリーダーとして尊ばれるのです。
言わなければならないことを言わない組織には、結局、膿が溜まっていきます。膿は勝手に消えてくれたりはしません。居心地のよさを優先して、自分たち膿を取り除かなければ、膿だらけの組織になってしまうのは自明の理です。
組織は「所属」するものから、自分が選んで主体的に「参加」するものになるのです。
一人一人が大人になると摩擦が増えます。一流の技術者にはこだわりがあり、持論があります。それを各自が主張するのですから、摩擦が起きるのが当然になります。
大人の組織では逆に、「異質性を高めて対立し合うことで、さらにレベルの高い結果を生み出す」ことが大事になります。
わかったことは、仕事がコンスタントに入る人には、多くの声がかかるということです。声がかかるといっても、直接的な仕事の依頼がくるというよりも、相談であったり、過去の仕事に関する問い合わせであったり、人の紹介の依頼であったり、世間話や飲み会といったものまで含めて「声」がよくかかるのです。
この本で言われる、コドモの組織というのは、昔からいわれる日本人の気質に起因するところが大きいわけですが、そういうのを主導してきた世代が引退する時期になってきて、さてこれからの日本人気質とはどうなっていくのでしょうね?
私の予想では、意外とそういう気質が世代が変わっても変わらないのではないか、というものです。予想が外れることを期待しますが。
上記太字で書いたところ、組織は所属ではなく参加するもの、仕事のある人には様々な声がかかる、という点は特に共感しました。
たぶん2時間くらいで読める本ですし、学問的な文言に偏りすぎた組織論の本なんかより役にたつと思います。