前提条件を確認して思い込みを避ける

シニア向けにスマートフォンなどのIT技術をレクチャーするNPO活動を始めて6年ほど経ちますが、いまだに学びが多いです。

NPO法人川崎スマートライフ推進会|スマホ教室|高齢者|川崎市
NPO法人川崎スマートライフ推進会は、シニアの方々を対象にスマートフォン&タブレットの使い方を教える無料の定期講習会を開催しています。スマホ教室をお探しの方は是非川崎スマートライフ推進会の無料講習にお越し下さい。

最近は、TV番組の収録などでも多用されるようになったということで、Zoom の講習をしたのですが、まあ、これがね、思ったように進まないのです(笑)。

原状の見解としては、シニア世代が1人でいる状態で Zoom 上の講習会(とかオンライン飲み会でもいい)などに自力で参加してもらうことは、

ほぼ確実に不可能

です。Zoom は会議を主催するほうと、参加するほうに分かれますが、参加する側のみに特化した場合でも、何度か徹底的にレクチャーしないと、自力ではまず無理です。

では、どんなところでハマるか、みていきましょう。

全体像が見えておらず、いま自分がどこにいるのか分からない。

これは、Zoomに限らず、スマホ操作全体に言えることなのですが、シニアは自分の操作の現在地がわからなくなることが多く、また、今見ている画面のひとつ前に戻る操作( < のマークなど)や今の画面を消す操作( Xのマークなど)が分からなくなることが多いです。そもそもそういったアイコンに気づきにくいし、気づいたとしても何を示しているのか分からず、分からないものは絶対タッチしません。怖いから。この辺は小さな子どもとは違うところですね。

会議に参加しようとして、自分主催の会議を開始してしまってる

Zoom に登録できる人にはしてみてもらうんですが、そうすると、自分で会議を主催できるようになります。で、

私が会議を主催して、必要な情報を送りますから、それに参加してみて下さい

とお願いしても、会議への参加ではなく、自分で新規のミーティングを作成してしまうんです。良く分かりませんが、GUIの左上のボタンを押してしまうものなのでしょうか?

ともかく、シニアには既存の会議への参加のみとし、あえて登録はさせないほうが混乱を招かないかもしれませんね。

アプリの使いづらさ、不具合に対応できない

これは最初の、全体像が見えない、にも通じるのですが、本来の操作から少しでもずれると破綻してしまいます。主な原因は、全体像のなかで今何をしているか、何をしなければならないか、という視点ではなく、次はどこのボタンを押してその次は。。。という具体的な操作をメモして、その操作に終始してしまうから、想定したのと少し違うとダメになります。
Zoom でいうと、会議の開催通知には、会議に参加するためのURLリンクと、それとは別に、ミーティングIDとパスワードが記載されています。そして、URLリンクで会議に参加しようとすると、エラーがでます(ブラウザが対応していないとか)。エラーが出た時点で終了ですね(笑)
本当は、エラーメッセージの下に URL リンクがあって、それをコピーしてブラウザに入れればアプリが立ち上がるのですが、そういうやり方を説明するのは、余計に混乱を招きます。
なので、当面は、ミーティングIDとパスワードを使って会議に参加してもらう方法をレクチャしています。では、それらの情報をどうやって Zoom アプリに持っていくのでしょうか?それが次です。

コピーペーストを知らない

これが最近知った最も衝撃的なことなんですが、あるアプリにある情報(テキスト)をコピーして、別のアプリに貼り付けるという操作、概念そのものを知らない人も結構います。これは、パソコンで事務仕事などしたことある人ならおそらく常識なのでしょうが、この辺はひとりひとりのバックグラウンドによりますね。
Zoom で会議を主催した人は、参加予定者にたいして開催通知(参加に必要な情報)を連絡します。メールでつながっている人にはメールで連絡することになります。我々の場合は、LINE のグループでつながっていましたので、LINE 上のメッセージで通知をしました。こんな感じの内容です。

で、これを LINE メッセージで受け取って、LINE 上でコピーしたとき、必要な場所だけコピーするわけではなくメッセージ全体をコピーしてしまうわけですね。
それだと Zoom 側でミーティングIDやパスワードを貼り付けするときには使えなくなるので、とりあえずの回避策として、メモ帳などに一旦吐き出して、その中で必要な情報(ミーティングID、パスワード)をコピーして持っていくようにすればいいのでは、とレクチャーしました。
しかし、シニア世代の方には、もう混乱の極みになってしまいます。アプリが、LINE、Zoom、メモと3つも出てくるし、コピペの操作もやりにくい。

まあそうですね。無理もないです。

ということで、結局、LINEのメッセージで、ミーティングIDとパスワードをそれぞれ別メッセージとして送ることにしました。こうすれば、LINEで直接コピーして持っていけますから。

冗長でもお互いの前提条件を確認しよう

この件で思ったのは、こちらの思い込みで進めるのはマズイということ。我々にとっては、コピペなんて当たり前のことで、それ無しでこれまでどうやって仕事してきたのか想像つかないレベルですが、そんなこと必要なかった人も多いということです。
面倒でも、お互いの前提条件を確認して、足りないところは、その部分からしっかり補足していかないと、本来のレクチャーが全く入らなくなります。上記の、Zoom のレクチャーなかなかうまく進まなかったなあという印象は、圧倒的に、

こちらが悪い

のです。
今回の参加者のような状況は全く特殊じゃないのでしょう。なんとなく、いまはみんな Zoom なんか当たり前に使っているような雰囲気がありますが、現実はそうじゃありません。

テクノロジーの普及・進化と、シニア層のITスキルとのギャップは、ますます開いているように感じています。

 

 

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