[Book] 日本人をやめる方法 (4)

日本人をやめる方法

第五章 越境主義への招待

マージナリティ:文化的・社会的に複数の集団に属していて、しかもどの集団にも完全に同調することがなく、帰属性のはっきりしない状態

マージナルマン:ふたつの文化の水につかりながら、そのどちらにもある種の距離感を保つ

 

棄国越境人間と在郷越境人間

越境主義はひとつの生き方の志向であるから、必ずしも物理的に海外に住むことを必要条件とはしない。

なので、筆者は、性別、年齢別、地方別、企業別、産業別、職業別、学歴別などの境界線を乗り越えて、垣根の向こう側におちることを選択しようとするひとを棄国越境人間と呼んでいる。

要は、古い常識や前例にとらわれず、興味あるものはやってみようという人のことだろう。

一方で、海外にいても、同質の日本人とばかり付き合うひともいる。こちらは物理的には越境しているが、真の越境人間ではないということだろう。

日本社会の国際化のひとつの原動力は、こうした「棄国越境人間」と「在郷越境人間」の合作によって発生すると、私は考えている。

ナニナニ国の立場から「正解」「誤解」を主張するのではなく、国家への所属意識や国益擁護の意識から開放された、ある種の「無国籍人」の地点が越境人間の目指す場所である。

日本人は、どうしても個人の利益につながる日本の国益としてどう作用するか、という視点で国際問題を考える。まあ、国際問題を当事者意識をもって考えるだけでも立派だけどね。日本人というアイデンティティ、帰属意識からくる思考はなかなか覆らないな。

真の越境人間は一国の視点でだけ観るわけではないということか。こういう無国籍人のひとたちは、自分が何者なのか?どこに帰属しているのか、という認識はどうなっているのだろう。何か宙に浮いた感じはしないのかな。

「棄国越境人間」と「在郷越境人間」の人口が拡大し、その影響力が強まることが、国際化の進行度のひとつの指標になると思う。

進行度の高い国としてシンガポールをイメージした。あまり知らないけど。

シンガポールは、外部から人やカネを呼び込んで(多分それなりに問題はあると思うが)国際化という点ではすごくいろいろやっていると思う。一方日本は、一国でそれなりに国力もあって特殊な言語が使われており、内需も多かっただけに、外部からリソースを呼びこもうという意識は薄い。そんなことしたら日本の良い文化が壊れる、と考えるひともいる。でも実は、日本の文化の良さを再確認してそれを大事にしようとしているのは、上記の越境人間なんじゃないかという気がする。

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