第四章 「日本からの難民」という範疇
海外から日本への難民流入という問題に際して、
意識下の深みに横たわっているのは、「優れた日本と劣った外国」という絵模様だからである。
としている。これはあるね。だから海外から来るんだと。
一方で、日本から外国への難民というのも、相当数いる。日本での難を避けて逃げてきた人々だ。
・会社難民
日本企業の体質がイヤで海外に脱サラ
・教育難民
日本の教育に愛想をつかしてもう一度イチからやり直そうというひと
・地縁難民
複合民族多文化社会を前提として国に移住する
国際難民だけでなく国内難民もある。たとえば、
- 田舎から東京へ出てきたひと
- 逆に田舎に逃げ込んだひと
- 北海道移住に憧れているひと
何かがイヤで、国内で移動を試みたひと、試みたいと思っているひとは結構いるだろうということだ。もちろん比較の対象次第だが、日本にいれば何でもハッピーというわけではないようだ。
私達は大なり小なり「難民性」をもって生きているのである。
そのような私達自身の「内なる難民性」に心を向けながら、アジア諸国からの日本への難民問題を考えるとき、ことの本質を異なった視点から見直すことができるのではないだろうか。