NPOの設立申請書類で注意すべきところ

役所絡みは書類との戦い

先のエントリーでも書いたとおり、この度、ようやくNPOの申請書類が受理されました。設立認証申請するにあたり必要な書類は下記のとおりです。

  1. 特定非営利活動法人設立認証申請書
  2. 定款
  3. 役員名簿
  4. 役員就任承諾書
  5. 10人以上の社員名簿
  6. 法第2条第二項及び法第12条第1項第3号に該当することを確認したことを示す書面
  7. 設立趣意書
  8. 設立についての意思の決定を証する議事録の謄本
  9. 設立当初の事業年度及び翌事業年度の事業計画書
  10. 設立当初の事業年度及び翌事業年度の活動予算書
なかなかの分量に見えますが、実際にはそんなに多くはありません。それでは、それぞれの書類について勘所をみていきましょう。

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申請書類の詳細

特定非営利活動法人設立認証申請書

申請者の認印が必要になります。申請時に印鑑を持参するのでいいと思います。日付は空欄にしておいて、申請時に記入します。申請者は通常、NPO代表者だと思います。申請者住所は住民票記載の住所表記にしておく必要があります。普段使っている住所表記とは異なる場合があるので注意が必要です。
定款に記載された目的を記入する欄があります。ここには定款の第3条をそもまま転記します。

定款

定款は雛形があるので、それをベースに自分たちの団体に合わせて修正していきます。このあたりは、事前相談で詰めていくべき部分です。

役員名簿

役員とは、理事もしくは監事のことです。我々の場合は役員は4名(理事3名、監事1名)で申請しています。このあたりの人数は定款にも記載します。名前や住所の表記は正式な記載をする必要があります。

役員就任承諾書

役員名簿に記載された全員ぶんの就任承諾書です。宛先が代表者になっていて、かつ代表者本人も承諾書を書かないといけないのは何か変な感じがしますがそういうものらしいです。直筆署名の場合は印鑑はいりません。住基ネットで本人確認をしてもらうことを承諾する署名欄があります(ここの生年月日記載は任意です)。住基ネットでの確認を拒否する場合は別途住民票写しを添付することになります。

10人以上の社員名簿

上記の役員を含めた、10人以上の社員名簿です。社員というとちょっと違和感ありますが、NPO設立に賛同してくれた人の名簿という感じでしょう。役員以外のメンバーは名前・住所の記載のみです。

法第2条第二項及び法第12条第1項第3号に該当することを確認したことを示す書面

宗教活動や政治活動、暴力団関連ではないことを確認する書面です。代表者の印鑑が必要になります。

設立趣意書

取り組もうとする社会的課題と、それをどう解決していくかというストーリー、ビジョンを描きます。団体としては、おそらく最初に見られる文書です。この部分も、たたき台をベースに事前相談しながら詰めていくのが良いと思います。印鑑を押す必要はありません。

設立についての意思の決定を証する議事録の謄本

社員を対象に設立総会を開き、その決定事項を書いた議事録です。定型フォーマットがすでにあるので流用します。議事のところは、全議案について、満場一致で承認された、でOKです。議長および議事録署名人2名の署名が必要です。議長は通常、設立代表者で、議事録署名人はその他の理事が書けばよいでしょう。
出席できない社員がいれば、委任状をとれば出席者数に入れることができますので、通常は出席者数=社員数とします(ただし新生児に委任状を提出するわけではありません)。

設立当初の事業年度及び翌事業年度の事業計画書

直近2年ぶんの事業計画を、事業ごとに記述します。来事業年度はまるまる1年ありますが、現在の事業年度は申請時期によってはかなり短くなります。だいたい今から4ヶ月後に設立くらいのイメージでそこから当該年度終わりまでを考えます。事業は、特定非営利活動に係る事業と、その他の事業に大別され、さらにその中で各事業に分かれます。事業については、一般企業でなくなぜNPOでそれをやるのかという視点で書くことが重要です。
定款には、今年度と来年度に行う事業のみを記載します。

設立当初の事業年度及び翌事業年度の活動予算書

上記の事業計画にそった活動予算書を作ります。両年度について、収益の見込み、費用の見込みを科目を入れて書いていきます。結局のところ見込みでしかないのでざっくりを数字を入れていけばいいです。数字そのものの妥当性は誰にもわからないので、記入した科目の詳細について説明できればOKだと思います。

その他のアドバイス

役所の管轄部署の担当者に書類を見せて事前に相談しながら内容を詰める
申請者側でいくら頭をひねって文章を練り上げたとしても、一発で書類が通ることはほぼないと考えたほうが良いでしょう。一方的な思い込みで書類の内容が変な方向に行っていることが多いです。役所に書類のたたき台をもって事前相談することは必須だと考えておきましょう。各地域の管轄部署で事前相談を行っているはずです。調べてみましょう。
ちなみに、各自治体の担当部署では、申請に関連する情報を盛り込んだ冊子などを用意しているはずです。たとえば、川崎市の場合ですとこのような冊子があります
申請に出向く際は、軽微な修正はその場で直して印刷できる手段を残しておく

上記のように、住所の正式な表記などは本人も勘違いしているケースが多く、修正が必要になる場合があります。訂正印で対応することもできるようですが、せっかくの提出書類ですから綺麗なのを出したいですね。そのためには、修正が必要なことが明らかになったらその場ですみやかに修正できるようにしておくことです。具体的には書類のファイルが参照・修正できるラップトップPCを持参しておき、必要な修正を行ったあとPDFにして USB メモリに入れて、コンビニのプリンタで出力します(役所のプリンタを借りるのはおそらく無理です)。というわけで、即時対応のための準備をしておくほうが良いです。

申請が受領されると、申請書に受領印を押した用紙(のコピー)がもらえます。その日はそれで終わりです。
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(注)なお、上記の情報は、私が2015年10月にNPO設立申請を行った際の経験に基づいて記載したものです。その後、規定など何らかの変更が入っている可能性はありますのでご了承ください。
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