「自分が欲しい情報を探し求めるという行為が苦痛」というクラスタ

WOW - Vint Cerf in Buenos Aires (Internet's Dad & Google's Chief Internet Evangelist)
Creative Commons License photo credit: TheAlieness GiselaGiardino²³

 

もちろん個人差はあるが、若い人はおおむね、環境さえ与えられれば、様々なアイデアを駆使して自分のほしい情報を探し求める。欲しい物がより安く手に入るかもしれない、ともなれば尚更である。

一方、シニア層では、ほしい情報を何時間も探し求めるというひとは少ないだろう。
シニアのネット活動は至って淡白で、ページのスクロールすらしないであきらめるという。
若いひとから見れば(注:筆者含む :)) 、もっとこうすればこうなのに、みたいな意見は多々あるだろうが、想像もできないことには興味がでてくるわけもない。
TVは、昔から慣れ親しんだものだし、一定の情報を常に提供してくれる。これがあれば寂しくなんかない。だからシニア層は、TVがないと生きていけない。

シニアにスマホの使い方を教えているが、「これで TV はどうやったら見られるの?」と聞かれる。シニアにとって TV は偉大だ。

TV Program
Creative Commons License photo credit: 85mm.ch

最近のテレビ番組をみていると、YouTubeの面白い動画をただ流して、タレントが笑ってコメントする、みたいな番組が結構ある。

これを見たときに、TV局が自ら負けを認め、コンテンツを作ることをやめてしまった、と感じた。番組がやっていることは、Youtubeの膨大な動画のなかから、面白そうなものをピックアップしているだけだからだ。
しかし、そういう番組が続いているということは、一定の需要があるということだ。そのターゲットは、(情報のソースはともかく)そこそこ面白いコンテンツを一方的に提供してくれればそれでよい、と考える視聴者層である。

TV局側は、

ほしい物と完全にマッチしていなくても、それなりの情報をラクして受信したい

という昔からある需要を、Youtubeのソースを使って満たそうとしていたのだ。つまり、今風にいうとキュレーションだ。インターネット上では、2chまとめサイトもキュレーションのひとつといえるだろう。

シニア層のITリテラシーを高めていくのは、予想外のいろんな障壁があると思うが、TVのチャンネルを回すのと同じ感覚で、必要と思われる情報がある程度整理されて複数チャンネルで流され、チャンネルを回しながら視聴する、というインターネット上のサイト、つまり、

シニア向けのキュレーションを行ったサイト

というのは、一定の需要があると思う。

タイトルとURLをコピーしました