シニア世代に Zoom アプリをレクチャーしてみた
先日から、シニア世代の方々に Zoom アプリの使い方をレクチャーする機会が何度かありました。
TV番組でも、Zoom でのリモート参加で番組な構成されることも増えましたので、Zoom というアプリがあることくらいは知られています。では、シニアのみなさんも自分たちでやってみましょうということになりました。その結果、下記のような箇所でハマることが分かりました:
- コピペできない
- ミーティングへの参加で、新規ミーティングを作成してしまう
- チャットの場所が分からない
それぞれ見ていきましょう。
1.コピペできない
Zoom 会議の主催者は、参加者にたいし、上の画像のような招待情報を送ります。送る手段はメールだったり SMS だったり LINE だったりするかもしれません。で、これを受け取ったほうは、リンクURL などをコピーして貼り付けしてミーティングに参加します。が、シニア世代の大半には、このコピペの概念が通用しません。順序としては、
a ) Zoom 会議の主催者から、参加に必要な情報が送られてくるものなのです
b) たとえばその人と LINE で繋がっているなら、その情報は LINE で送られてきます
c) その中に含まれるミーティングIDなどの情報をコピーして、Zoom アプリのほうに持っていって使います。つまり、2つのアプリを使うことになります。
d) アプリ間の情報受け渡しに際し、コピー&ペースト機能がスマホにはあって、情報を一時的にコピーして保持しておくことができます
といったことを説明しておく必要があります。なお、招待情報には、リンクURL と、ミーティングID + パスワードのセットが提供されますが、
(ミーティングID + パスワード)を使ってもらったほうが良いです。
リンクURLは、一発でアプリが起動しなかったりするので、また余計な問題を発生させる原因になるので避けたほうがいいです。
2. ミーティングへの参加で、新規ミーティングを作成してしまう
上の画面は、Zoom アプリのホームです。主催者から参加情報をもらった参加者(シニア世代)は、どこをタッチするかというと、左上の新規ミーティングのアイコンをタッチしてしまうのですね。
これは、アプリを入れて新規登録したひと(つまり自分でも会議を主催できるひと)に限ったことですが、こういうミスは非常に多いです。なので、少なくとも Zoom 使い始めのシニアは、
登録なしでアプリを使ってもらう
ほうが混乱を避けることができます。
3. チャットの場所が分からない
ウェブ会議に並行して、チャットでメッセージが送れるほうが色々と便利です。なのでチャットの見方、送り方をマスターしてもらいたいのですが、まずチャットがどこにあるか分かりません。これがチャットのひとつめの壁。
画面をタッチすると上の画面のようなメニューが出るのですが、画面をタッチしてメニューを出すということ自体がまず大きな障害です。そういうやり方があることに気づかない。こういうやり方があるんですよと教えても、自分で試行錯誤した結果でなければ、すぐに忘れます。
次に、右側の3つの点をタッチすると、チャットのメニューが出るのですが、それはタッチしてみないと分からないという難しさがあります。若い人ならとりあえずタッチしてみるのですが、シニア世代は怖がってタッチできません。これがチャットの2つめの壁。
チャットメニューが出せるとこうなります。
で、チャット画面はこんな感じになります。
ここで3つめの壁。どうやってチャットに入力すればよいか分からないのです。実際には、チャット画面の一番下に細長い領域があって、
ここをタップしてチャットするか、メッセージを・・・
という文言があるのですが、シニア世代にはこれが見えません泣。
ここをタッチすれば文字が入れられるようになりますよ、と教えられて初めて気づきます。これが現実です。
まとめ:現実はキビシイ
- シニア世代に Zoom 会議の主催をしてもらうのはかなり難しいが、 会議に参加してもらうことはなんとか可能。
- (Zoom アプリに限らずですが)、シニア世代には、見えているけど見えないものがある。
- コピーペーストなど、我々が当たり前と思っている機能・概念は、決して当たり前ではない。
- 一度出来たからといって、翌日も同じようにできるとは限らない。いや多分、出来ない。自分自身の試行錯誤ではなく、ただ教えてもらって出来たことは、すぐ忘れる。
もちろん、スマホのスキルは個人差ありますので、何ら問題なく使えるというシニアもいらっしゃるでしょうが、私が見てきた何百人のシニアの皆さんの平均的なスキルで考えると、だいたい上記のような感じになります。つまり、
Zoom は超カンタンなアプリだから大丈夫だよね
という現役世代の感覚は、残念ながら通用しません。
上記のような点に注意して頂きながら、丁寧に説明し、それを繰り返す必要があります!
でも Zoom 自体は良いアプリですよ。